QUEST FOR THE CENTREPIECE by buna

自分を高めない限り

先日、10代の頃に聴いていた日本のパンクバンドのライブを観に行った。
30年ぶりだった。ボーカル以外は全員メンバーが変わっていて、
今回は歴代のメンバーが変わるがわるステージに立った。

10代の頃の記憶が蘇り、いまだにステージに立つそのボーカルの姿を見て、
感動をすると同時に、あの頃の輝きはないことが残念だった。
自分が60代になった時に、こうなってはいけない。
そう誓って、僕はライヴの途中で会場を去った。


一気に進ませたいことに限って、思うように進まないことが多い。
その場で足踏みをしているようだ。

このままではいけない。変えていかなければ。
安定を求めて、変化を求める。

自分を高めない限り、たどり着けないところに自分が求めているものがある。
まだまだこれからだ。

buna

初夏


写真は、同志でもある絵描きの志水則友氏と。
彼とは25年前くらいに出会って、
去年くらいから、一ヶ月に一度は会っている。
毎回会うたびに、もっと日本文化について勉強しなきゃなぁと
思わせられる。


エアコンなしでは生活できない毎日。
5畳ほどのアトリエにはエアコンはなく、
展示から戻ってきた作品たちでいっぱいになっている。

その中には搬出途中に傷ついてしまったものもあり、
痛々しい姿のまま放置してしまっている。
未完成の作品が数点あるけれど、
とても展示前のようなモードで製作する気が起きない。
今思えば完全にゾーンに入っていたのだろう。
ある種の狂気だ。

今は、この数ヶ月かなり心身に無理をさせたので、
その疲れと、この暑さに体を慣れさせなければならない。

課題は、そういった疲れを取る術を知らないことだ。

buna

やっと予定のない週末を

個展が終了してほぼ1週間。昨日搬出を終え、
我が家のリビングの壁やアトリエに作品が戻ってきた。
合計何人の方に観てもらえたのかわからないけれど、
それぞれの視線、思考、感情が自分の作品に蓄積されたような感覚がある。
それらが僕の作品の深み、強度になった気がして嬉しい。

そして、やっと予定のない週末を過ごしている。
映画を観て、読書をし、
部屋を片付ける。下手になりに片付ける。
そんな日常、生活に戻る。

思い出したのは、こんな日常に飽きているということ。

buna

少し明るいところにいる

 


今、やっと僕は少し明るいところにいる。
でも、いつだって、あの底に落ちる可能性はある。

ここを以前から読んでいただいている方は、
ある程度理解してくれると思うけれど、
この10年近く、僕は井戸に落ちたかのように、
底の方で生きてきた。

それでも、きっといつか。きっといつか。
と諦めずに、小さな光を見つけては、
その方向へ向かっていった。

今回の展示場には1つ、このような真っ黒な壁の部屋がある。
照明を意図的に落として、その「底」を表現し、
体験して欲しかった。

ここに到達するまでの過程を知ってもらうために。

buna

残り9日


リビングまでがアトリエ化していたけれど、
今は、作品がギャラリーにあるので、部屋がスッキリしている。
あの数がまた戻ってくることになると、
正直、困る。

だからと言って、売らなければ!というテンションでもない。
「生活に余裕があるからでしょ」
と友人に言われたけれど、確かにそうかもしれない。

こんなことを言うと、ギャラリーに怒られてしまうけれど、
今回は、世話になっている人たちや、
友人たちにできるだけ安く、持って帰って欲しい。

なので、
少し頑張れば購入できるような値段の作品もある。

buna

【個展】Indra’s Net – Yamiterasu-

 

【個展】Indra’s Net – Yamiterasu-

時間 12:00 〜 19:00
休館日 月曜日、火曜日、水曜日、木曜日
artstudio NAZUKARI WAREHOUSE
〒270-0145 千葉県流山市名都借827-3
https://nazukariwarehouse.wixsite.com/mysite-1

「闇は闇で追い払うことはできません。それには光が必要です」
— マーティン・ルーサー・キング・ジュニア

陰と陽はお互いに補完し合う対極的な力であり、どちらが『悪』というわけではありません。どちらも必要なものであり、バランスが取れていることが理想とされています。現代社会における「バランス」は多くの要因によって複雑なものとなっており、陰の力の割合が大きく、アンバランスになっていると私は感じています。では、私たちはその光をどうすればより強く輝かせることができるのでしょうか?

古代インドの哲学には、「インドラの網」という概念があります。無限に広がる宇宙の網で、そのすべての交点に輝く宝石があり、それぞれの宝石が他のすべての宝石を反射しています。これは、宇宙のすべての存在が互いに密接に関連し合っており、独立した存在ではないことを象徴しています。アジアには他に、中国の哲学の「陰陽」や、日本の「和」および「縁起」といった概念もあります。これらの概念も共通して強調されるのは、相互依存と調和の重要性です。

今回の新作シリーズ「インドラの網」では、私たちの「心」や「魂」を「光」と例えて、私たち一人ひとりが「光」の強度を上げ、反射し合うことで、光を増幅させて社会全体の陰陽のバランスを取ることに挑戦しています。

そして、冒頭のマーティン・ルーサー・キング・ジュニアの言葉には続きがあります。
「憎しみは憎しみを追い払うことはできません。それは愛だけができることです」

陰陽:相反する力の調和と人間行動への影響


最近、chat Gptを使用することが増えた。
文章を書くときも文法や表現を相談している。
そして、毎回困っていたタイトルも今回からchat Gptに考えてもらった。
僕の文体とか、個性とか今は興味なくて、伝わればそれでいいと思っている。



陰陽:相反する力の調和と人間行動への影響

アジアには、インドラの網以外にも、
中国哲学における陰陽の概念があります。

この概念は、すべてのものが相反する二つの力、
陰と陽から成り立っていると考えます。
これらの力は対立するように見えますが、実は相互に依存し合っています。
一方が存在するためにはもう一方が必要であり、
また互いに影響を及ぼし合っています。

前回書いたように、「私たちが思考や行動する際、
その結果が他の人や環境にどのような影響を与えるか」
を考えることが大切です。
さらに言えば、どうやったら人を良い方向へ導けるかということです。

では、「良い方向」とは何でしょうか?
人を導くというのは、おこがましい気もしますが、
結局のところ、自分が正しいと思うことをする、
ということなのでしょうか。

正しいことは場所や時代によって変わるため、
まずは視野を広げ、さまざまな人の「正しさ」を知り、
理解することが重要です。

buna

個展の日程決定

“Abyss 001”
2024
Size:F10 (530x455cm)
Mixed media on wooden panel


個展の日程決定

個展は6月1日から開催することにはなったけれど、
まだタイトルを考えれていない。
コンセプトは決めてあったものの、
こう制作を1年ちかくやっていると、
枝分かれしたり新たなテーマが入ってきたりしている。
それを早いところまとめないといけない。

最初の段階では、以下の「インドラの綱」がテーマだった。

2000年代以降、物質的な豊かさや経済的な成功ではなく、
精神的な豊かさを追求する心の時代が来るだろうと言われていた。
それが2024年の今、世界では分断と不確実性が強まっている。
日本だけで言えば、政府の暴走とも思える、
国民に耳を傾けない政策の数々で、不安が強まるばかり。

1人の人間が時代を変えることはできなかったとしても、
身辺何キロか、何メートルにいる人の日常を変えることはきっとできる。

そこで、1人の人間の言動や存在が周辺に与える影響を視覚化することを試みたかった。
そこで出会ったのがインドラの網(Indra’s Net)という概念だった。
これは古代インドの仏教とヒンドゥー教の宇宙哲学に関連する概念で、
宇宙の相互依存性と相互関連性を表現するために使用される。

インドラの網は、無数の宝石が結ばれた網として描かれる。
各宝石は透明であり、その中には他の宝石が映し出されている。
そして、それぞれの宝石は周りの宝石と相互に関連している。
したがって、1つの宝石が変化すると、他の宝石にも影響を与える。

私たちが思考や行動する際には、
その結果が他の人や環境にどのような影響を与えるかを
考慮する必要があるということを示している。

もう少し練る必要がある。

buna

価値を理解しているか?


2024 習作


平日は起きて寝るまで仕事をしてるので、
だいたい休日は、制作している。
自分の人生はこれで良いのか?と思うこともある。
しかし、6月の個展があるので、こんなものだと言い聞かせている。


価値を理解しているか?

最近会ったアートキュレター曰く、
「成功しているアーティストは自分の作品の価値を理解している」
らしい。

もちろん、この場合の価値とは文化的なそれだけでなく、
市場のそれなのだろう。

アート作品の市場価値は、いくつかの物差しで測られる。
例えば、芸術史の中で、何かしらの脈略の上にあるか。
もちろん、突然変異で現れたようなものであれば、
それは凄いことではある。

だとすると、自分はどこの脈略にいるのか。
これを専門家がしてくれない場合、
自分で説明しなければならない。

はて。そろそろここに書きながら、
言語化していかなければならない。

buna

世界が壊れていく感覚

 


RESIST no002
Year: 2024
Size:330x330mm
Mixed media on wooden panel


近所の喫茶店で2時間ほど読書をしてみたところ、
自分の部屋よりも集中できるようだ。
ただ、食べてしまう。

積読してしまっている本が10冊近くある。
心理学、社会学、哲学、宗教、小説などだ。

どうにしかして時間を作って、
制作と仕事に直結する内容のものを優先的に読み進めている。


世界が壊れていく感覚

海の向こうで戦争が続いていることを、
すっかり忘れてしまっている自分に気づく。
テレビを観ないからだろうか。
それとも日本にいるからだろうか。

日々の生活が忙しくて、
日本の政治の混乱と不安、
不信の方がやっぱりリアリティがある。

母国を憂う。壊れていっている感覚が、
日本だけでなく、世界全体に感じてしまう。

そんな世界で、
日本人アーティストととして、
今、どんなメッセージを世界に放つべきか。
どんな役割を担っているのか。担うべきなのか。

そんなことを考えている日々だけど。
無力感の視線を感じながら、
気が付かないフリをしている。

アーティストがいくら叫んだって、変わらない。
いや、小さくてもバタフライエフェクとのように
どこかに、大きな影響を与えることができるのかもしれない。
できる。そう信じてやっている。

無力感に抗う。
諦めそうな心に抗う。

buna

中空構造

“Indra’s net”
2024 No.006
Size:F25(803x652mm)
Mixed media on wooden panel


そのこころの中空構造の中に

自分にとってのベストな作品が月単位で更新されている。
良い波がやってきている。
ただ、制作時間がなかなか作れない。

二足の草鞋を履いているので、
制作時間を十分に持てないのだけど、
今は毎日、5分でも30分でも制作をしている。

今回アップした作品は、自分たち日本人の心の中にある、
中空を表現したもの。

そのこころの中空構造の中に、
何が入るかで、見える風景が変わるのだ。
何を入れるかで、見える風景が変わる。

buna

閃きと反復

もう2月も中旬、本当に時が過ぎるのが早い。
この三連休は1日は、同行する予定だった同僚が、
インド出張中にインフルにかかってしまい、
急遽、同志、志水君を道連れにした。

気がついたら、周りが音楽関係ばかりになっていたけれど、
去年から少しずつ再会し始めていて、そのうちの1人が志水則友氏だった。
東洋や日本文化の深いところを学び、挑戦している友人、仲間は貴重だ。

残りの二日は、正月以来帰れてなかった実家へ。
姪っ子にあげれてなかったお年玉をあげた。
いつもゲームばかりしていて、すっかり可愛げがなくなってきたけれど。
それでも可愛いものだ。

この子は結婚はまだか?などと言ってこないので、
助かっている。

それ以外は、延々と制作をしていた。
制作は、とうとうアトリエを飛び出して、
リビングにまでエリアが拡大している。
シルクスクリーンでのプリントはアトリエでやって、
リビングで切ったり貼ったりしている。

最近の作品は、感情でもなく、手先のテクニックでもないところで、
淡々と制作している。ほとんどがコンセプトがあるけれど、
思考に囚われたくない時もあり、何も考えず、
閃きと反復を同時に続けている。と言えば通じるのだろうか。

buna

2024


2023 @solfa Photo by hiro_Shirato

元旦から能登で地震が起こり、
正月気分もだいぶ薄まってしまったけれど、
幸運なことにあと1週間近く休みが続く。
いくつかの新年会をしつつ、制作を続けられる。
そして、読書と音楽。

こんな日常がずっと続けば良いのだけど。
能登周辺の人たちが1日でも早く、日常を取り戻せますように。

buna

Good by 2023


Mar. 2023 at Shibuya crossing


”12月は右下の隅にいる感覚”と
言って理解してくれる人はどれほどいるだろう。
元旦は“左上の隅にいる感覚”だ。

よくある12ヶ月カレンダーの影響だろう。


どこまで強めることができるか

今年も残り1日。
2023年はアートビジネスに再び挑戦することになった年。
そして、芸術家としても再度、本格的に制作をし始めた。
以前と違うのは、意識が内にだけ向かっていないこと。
アーティスト名を変えることを考えるくらいの大きな変化だ。

そして、個展まで半年。
今のところ、展示会のタイトルはIndra’s Net(インドラの綱)になる予定だ。
一人の人間の言動が周辺に与える影響だったり、
コロナや戦争の不安、分断、崩壊があり、
それらに対して、僕ら人間がどう向き合うか。

そんなことが込められた展示会にする予定だ。

前回の個展「深淵に浮かぶ月」(2019)は、
井戸の底の水面にうつる小さな月の光に希望を
感じようとするような内容だったけれど、
今の僕は井戸の中を除き込んではいない。

今の僕は、自分自身が光であると信じているし、
それを強くさせ、人に光を与えることが目的になっている。
これをどこまで強めることができるか。
それが2024年の抱負になるだろう。

buna

AUTECHRE

大事なアルバムを一つ追加。
制作する時によく聴いていたAUTEHREのこのアルバム。
彼らの凄さは、一つ一つの音とその音の置き場所が絶妙のギリギリのバランスを保っているからだ。
僕もそんな絵を目指したい。そんな絵も目指したい。

 

 

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